クランから「ネイティヴ・アメリカン」へ アラスカ・アサバスカンのポトラッチに見るアイデンティティの変化
日本民族学会第30回研究大会
アラスカの北方アサバスカン・グイッチン社会の「ポトラッチ」儀礼が、過去においては自集団内の氏族構造を確認し強調する儀礼だったが、20世紀半ばからは、グイッチン社会を外部社会と峻別し、帰属意識を確認し強調するものに転じ、さらにその帰属意識が、氏族からグイッチン、さらにはネイティヴ・アメリカンへと、より大きな集団に依拠する傾向性があることを指摘した。