外部社会との関係史からみるグィッチン社会・文化の研究動向
北アメリカ大陸亜極北地域の先住民グィッチン(Gwich’in)は,外部社会との交渉において,自らの権利主張を強く打ち出してきた歴史を有する。このことは,かれらの社会や文化を対象とした研究の動向にも大きな影響を与えた。本論文では,グィッチン社会の歴史,とくに外部社会との関係史を概観しつつ,それぞれの時代においてどのような研究が「誰によって」なされ公表されてきたかを明らかにしていく。
岸上伸啓編『環北太平洋沿岸地域の先住民文化に関する研究動向』 国立民族学博物館調査報告 156
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