「クランから「ネイティヴ・アメリカン」へ アラスカ先住民の儀礼とそこに見るアイデンティティの所在の変化について
アラスカ先住民グイッチン社会において行われている「ポトラッチ」儀礼は、元々、自集団内の氏族構造に基づいた儀礼であったが、グイッチン社会全体とドミナント社会の対立構造を表現するものに変化し、さらに現在では対立構造ではなく自集団への帰属意識を確認し強化するものに転じていること、またその帰属意識は、氏族からグイッチン全体、さらには「ネイティヴ・アメリカン」へとより大きな集団に依拠する傾向性があることを指摘した。pp.187~206
『城西国際大学紀要』第4巻第1号(城西国際大学)