ユーロ危機とEUの正統性
2009年ギリシャ財政問題によるユーロ危機は、EUの正当性問題を再検討させるきっかけとなった。財政統合を伴わない通貨統合の矛盾と、政治的要因の中での統合の進化をを指摘した。EUは危機のたびに矛盾を乗り越え統合を深化させてきたが、今後財政統合、政治統合と続くにはEU市民の了解が必要であり、EUの存在意義、民主的正当性に関する十分な説明が必要である。
城西国際大学紀要第22巻第1号