マクロライド抗生物質クラリスロマイシンは、抗炎症作用を有することが知られている。この抗炎症作用の機序として、炎症性サイトカイン等の発現調節が考えられている。14員環マクロライド抗生物質は、その他、様々な遺伝子の発現に影響を及ぼすことが報告されている3)。しかし、その細胞内標的の詳細については不明な部分が残されている。
遺伝子発現の網羅的解析では、通常は全mRNAの解析を行うtranscriptome解析が用いられる。一方、Morris等が開発したtranslatome解析を用いると、翻訳中のmRNAを網羅的に解析することができる。今回は全mRNAの発現に対する影響を明らかにする目的で、human B-lymphoblastoid cell (BJAB cell)の大腸菌O-111由来lipopolysaccharide添加の有無で、クラリスロマイシンがtranslatomeに与える影響を検討した。
Vol.67, Supple. A, pp.59~65 (2014)(共同研究につき本人担当部分の抽出不可能)