まず日本企業の抱えている社外取締役及び監査役制度の問題点や役割・権限を確認するとともに、アメリカの監査委員会の制度を参考にした韓国、中国の制度導入の歴史と課題を比較する。また社外取締役と監査役の監査能力の弊害になる組織内の構造問題に関してプリンシパル・エージェンシー理論に沿って分析した結果、日本企業には韓国や中国のような政治性関係は希薄だが、年功序列や定年まで終身雇用するなどの日本型雇用慣行によって雇用者と被雇用者との関係が構築されている。これに対しとりわけ韓国の場合は、地縁、学縁などによって社外取締役を雇用するケースが多い為
社内での権限発揮に限界が見られる。