我々は前回大会で、ニーリングパドルの2次元動作分析によりエリートパドラーはサブエリートパドラーに比べて、①ボード速度が速い、②プッシュ期における股関節屈曲速度が速い、③リカバリー期からキャッチ&プル期にかけて大腿角度をより大きくより速く動かしていることを明らかにした。今回は、ニーリングパドルの3次元動作分析により、2次元動作分析では明らかにできなかった上肢関節の3次元的な動きを競技レベル別に比較した。被験者(エリート群:男女8名、サブエリート群:男女8名)に、室内50mプールで40mの全力ニーリングパドルをレーシングボードで行わせた。その際、20-30m区間を3台のハイスピードカメラで撮影した。動作分析は、3ストロークの身体各部位のデジタイズ(100Hz)により3次元座標値を算出し、膝関節点の移動速度(ボード速度)、関節・セグメント角度および角速度を競技レベル別に比較した。その結果、エリート群は、サブエリート群よりもボード速度が有意に速かった。また、エリート群の上肢関節の角度・角速度はサブエリート群と有意に異なり、上肢における技術の相違が明らかとなった。
共同研究(浦田達也、植松梓、遠藤大哉、荒井宏和、中塚健太郎、荒木雅信)