特集 平和と移動:ジェンダーの視点から見る 沈黙から誕生した女性作家の自己語り:林京子の文学の世界
植民地経験が明らかに表現される日本の文学作品は少なかった。その中で、林京子は例外である。 日中戦争中の中国上海で幼女期、少女期を過ごした林京子は、自らの植民地体験、戦争体験を原点として、独自の文学世界を切り開いてきた作家のひとりである。本稿は「沈黙」をキーワードに、林京子の文学の原風景を追究する。
『かりん かりん:女性学・ジェンダー研究』第5号pp.79~pp.85