水田宗子著「異類の女」―支配の場としての身体から語りの場としての身体へ―
著者は本論文では、『日本霊異記』と『今昔物語』の二つの狐女物語を比較した。著者がご指摘しているように、これらの物語には、他者かによる女の身体の支配というディスコース、身体のジェンダー化のディスコースが明白である。女の身体は政治的な構築物であり、文化のテキストによってしるしづけられ、ジェンダー化されていることがわかる。それに、『ジェーン・エア』『サルガッソーの広い海』を比較した。ポスト・コロニアル文学における「異類の女」の語りは西欧ジェンダー文化の構造を変容させていく。
『RIM』アジア・太平洋女性学研究会会誌中国語版第2巻