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Name Kensuke Sakai
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Title

育成期サッカー選手の栄養素等摂取状況に及ぼす社会的・心理的要因の影響 

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第67回日本体力医学会(岐阜)

Publication Date

2012/09/14

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Summary

【目的】育成期のサッカー選手にとって、望ましい食生活を維持することは、健全な心身の成長やパフォーマンスの向上、コンディションの維持に重要である。日本サッカー協会に登録する中学生サッカー選手は、日本中学校体育連盟(JPA)、日本クラブユースサッカー連盟(JCY)、J-リーグクラブ(J)のいずれかの機関に所属しているが、それぞれのサッカー環境は大きく異なる。そこで、本研究では、異なる機関に属する中学生サッカー選手の食行動や栄養素等摂取状況について調査し、望ましい食生活に関する社会的・心理的要因と栄養素等摂取状況との関係について比較検討した。
【方法】千葉県で活動している中学生サッカー選手122名(JPA; 22名、JCY; 59名、J; 41名)を対象に、質問紙調査を行った。調査票は社会的・心理的変数として望ましい食生活に関する行動変容段階、意思決定のバランス尺度、自己効力感尺度、行動的スキル尺度、ソーシャルサポート尺度、認知的食環境尺度、食品利用性尺度および人口統計学変数を含む質問から構成され、また食事調査は2日間の食事記録目安量法により実施した。調査票の回収率は95.7%で、解析対象者は欠損値のない114名(JPA22名; 100%、JCY57名; 96.6%、J35名; 85.3%)とした。
【結果】望ましい食生活に関する変容段階の分布は統計学的有意差を示し(p=0.049)、JPAでは熟考期の割合が、Jでは実行期+維持期の割合は高値を示した。社会的・心理的要因については、意思決定のバランス尺度の恩恵(p=0.026)、意思決定のバランス尺度の負担(p=0.022)、自己効力感(p=0.034)、認知的社会環境(p=0.003)、食品利用性(p=0.013)についてそれぞれ統計学的有意差を示し、意思決定のバランス尺度の恩恵、自己効力感、認知的環境、食品利用性ではJ はJPAに比べ有意な高値を、意思決定のバランス尺度の負担ではJはJPAに比べで有意な低値を示した。また、食事調査の結果から栄養素摂取量は、ビタミンE、およびCを除く全ての栄養素でJが高値を示した。日本人の食事摂取基準に基づく適正摂取者の割合は、ビタミンA(p<0.01)、およびビタミンB2(p=0.046)で統計学的有意差を示し、Jが高値を示した。
【考察・結論】本研究の結果、JはJCYやJPAに比べて望ましい食生活に対する準備性が高い選手が多く、また栄養素等摂取状況が優れていることが示された。JはJCYやJPAに比べ指導者など社会的環境が充実していることが影響しているのかもしれない。また、社会的・心理的要因についても、いくつかの項目でJに所属している選手は、JCYやJPAに所属している選手に比べて有意な高値を示した。これらの結果は、選手自身もサッカー選手としての結果期待感が高いことが示唆される。しかし、本研究での調査対象選手は、それぞれの機関で1つのチームに所属する選手のみであるため、標本数が少なく一般化が困難だと考えられる。今後、複数のチームで同様の調査を継続していくと共に調査時期についても等しいピリオダイゼーションで行う必要があると考えられる。

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