本研究では、非言語的文脈(語用論的文脈の省略)がどのように復元され同定されて解釈されるか、そのメカニズムを解明することを目的とし、関連性理論の観点から検証を行った。従来の語用論では、言語化されていない文脈の解釈は、共有知識によって解釈されるはずだとされてきた。しかし、関連性理論では、共有知識という漠然とした捉え方ではなく、聞き手がどのようにして話し手の伝えようとした内容を解釈するのか、そのメカニズムを明らかにした。そこで本研究では、関連性理論を用いて非言語的文脈の解釈のプロセスを分析した。
pp.41-54.