プロクロスのプラトン解釈―『「アルキビアデス」篇註釈』における推論特定手続きの問題―大芝芳弘、小池登編『西洋古典学の明日へ―逸身喜一郎教授退職記念論集―』pp. 201-214
(論集所収論文)プロクロスのプラトン解釈の問題として、プラトンの個別対話編において、その主題(単一のねらい)を導出するにあたって、プロクロスは一般的に、個別対話編の中に推論を特定し、その各推論の結論を集めたものから、主題が導出できるという方法論を立て、『アルキビアデス Ⅰ』においてその方法を具体的に実践して提示している。この具体的な解釈手続きの提示において、プロクロスは、単なる推論を、真理を妥当な推論に従って導出する論証として不当な格上げを行っていることを明らかにするのが本論の主題である。
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