ModoやZbrushなどのスカルプト系ソフトの普及により、よりダイレクトに、製作者の造形力がモデリングに反影されるようになった。例として、動物と人のかけ合わせのモンスターなどのクリーチャーを作成する際、より説得力のあるデザインを行うには、人体や生物の骨格や筋肉の構造を理解する必要がある。しかしこれら生物の基本形は、実は人体と酷似してる。なぜなら、すべての生物のボディープランは共通するところが多く、元をたどると一つの共通祖先が存在し、そこから進化して現在に至る事を知る。つまり人体クロッキーをベースとして、人の形状を記憶することにより、様々な生物の造形に発展・応用させる事は可能なのだ。人体クロッキーは完成系の美術表現ではないかもしれないが、人体の構造を理解し、記憶する為の一つの手段でありうる。同時に人体は当然ながら立体であり、立体として骨も筋肉も記憶していく。筋は骨を引き、その位置関係を関節構造に従い変化させる。基本的な動きのメカニズムも知る事により、自由自在に動くクリーチャーにリアリティーを付加することは可能となる。その為の人体クロッキーの活用方法を実技を通して解説していく。