末梢静脈留置カテーテルに起因する静脈炎の発生は20‐50%ともいわれ、原因のひとつに皮膚の細菌叢からの汚染がある。これは、肉眼的変化を認めずとも、ドレッシング下の皮膚細菌が感染のきっかけとなる可能性を示唆するが、消毒後、ドレッシング剤下にある皮膚の清浄度の変化は十分に示されていない。本研究は消毒前、直後と72時間後のドレッシング下皮膚の清浄度を比較検討することを目的とした。消毒後より72時間後のドレッシング下にある皮膚は、洗浄度が一定保たれる環境にある一方で、約20%のケースで消毒前よりATPは増加しており、肉眼的に緩みや汚れがみられずとも、ドレッシング周囲からの細菌侵入や、ドレッシング下での常在菌が増殖する可能性が示唆された。
研究計画、情報収集、分析、抄録作成において研究責任者として主導した。