目的〕清拭は、感染予防につながると言われる一方で、これまで清拭による細菌数の減少が感染予防の観点から、どれほどの意味を成すのかというデータは十分示されていない。今回、温湯による清拭と、手指・皮膚の消毒に広く使用されるエタノールでの皮膚清浄度を比較検討した。清拭を含む群で、エタノールのみ群と比較し有意にATPが低下した(p<.0004)。一方、清拭のみ群と清拭+エタノール消毒群の群間差はなく(p=.22)、清拭後のエタノール消毒で更なる有意なATPの低下は認めなかった。少なくとも清拭がエタノールによる消毒効果に劣らない清浄効果を有する可能性を示唆した。
研究計画、情報収集、分析、抄録作成において研究責任者として主導した。