脳卒中片麻痺者が立ち上がり動作を行う時、上方移動開始時における身体重心(COG)と足圧中心(COP)の前後方向(y軸上)の位置関係において、COGyがCOPyより前方にあるタイプ(Aタイプ)と、後方にあるタイプ(Bタイプ)の2つの動作パターンが存在することが示された。タイプAはタイプBに比べバランス能力は低下しており、また非麻痺側優位の安定性を補償する立ち上がり動作を呈していた。タイプAの発見は、脳卒中片麻痺者における非麻痺側優位の立ち上がり動作が、立ち上がり動作時における姿勢制御機能としての役割を担う場合があることを発見したと考える。
The Japanese Journal of Rehabilitation Medicine第53回日本リハビリテーション医学会学術集会S62