3軸加速度計を用いて乳児の自発運動の発達を経時的に測定し,ヒトの運動の発達変化を検討した。データ解析には非線形解析を用いた。結果,埋め込み次元の推定値,リアプノフ指数では,生後1ヶ月の測定値から生後2~3ヶ月時点で一時的に値が小さくなり,その後4~5ヶ月で再度大きくなるというU字型変化の傾向が確認された。正常運動発達の学習過程においてはfreezingとfreeing後の多自由度への移行パターンがあるが,本解析のパターンはこれと近似するものとなった。運動学習過程を示す中枢神経系の組織学的な構造変化と関連する可能性があり,乳児自発運動発達の特徴を捉えるためには非線形解析による検討が有効であることを報告した。
共同研究につき本人担当部分抽出不可能