戦間期におけるアメリカ海軍情報部 その研究史を振り返る
情報活動と対外政策の関連性を探るべく、戦間期の海軍情報部(ONI)の対中情報活動を取り上げた。1930年代に入るとONIは、日本に加え中国を主要対象とした。これに伴いONIは、極東情報の収集・分析能力を飛躍的に向上させ、大統領をカスタマーとするに至る。ONIの中国語将校たちは、政府・軍の上層部に、国共合作は思想的かつ軍事的に堅固なので、抗日統一戦線も有効であり続けるとの情報を提供し、米中関係の緊密化に寄与した。pp.81-101
『情報史研究』創刊号