本研究では、足圧中心を指標とした力学的に不安定な立位姿勢保持における視覚と母趾末節底部の触圧感覚情報の役割を検討した。被験者には足関節を中心とした重心の前方移動動作をおこなわせ、最大移動位置で立位姿勢を5秒間保持させた。この5秒間における足圧中心動揺量および動揺速度を計測し、さらにヒラメ筋と母趾外転筋の筋電位を記録した。足底感覚条件は開眼+足底刺激なし、開眼+足底刺激あり、閉眼+足底刺激なし、閉眼+足底刺激ありの4条件を設定し、各条件間で比較検討した。結果は閉眼条件で足底刺激ありとなしで有意に刺激ありにおいて動揺量が小さくなる結果を得た。