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Basic information
肺非結核性抗酸菌症(肺NTM症)患者において,運動耐容能の低下を臨床上多く経験するが,その実際は明らかでない.本研究の目的は,肺NTM症患者の運動耐容能の特徴を明らかにすること,また運動耐容能と身体機能,自覚症状との関連を調査することである.複十字病院入院中の女性肺NTM症患者68名を対象とし,漸増シャトルウォーキング試験(ISWT)にて運動耐容能を評価した.身体機能として,下肢筋力,握力,呼吸機能,息切れ(mMRC)の評価を行った.また,ISWTと身体機能の関連を調査し,重回帰分析にてISWTの予測因子を抽出した.ISWT歩行距離は401±123m,対標準値は81.4±21.0%であった.また,運動耐容能と%VC,下肢筋力,%FEV1,握力は正の相関,mMRCと年齢は負の相関を示した.重回帰分析の結果,mMRC,下肢筋力がISWTの独立した予測因子として抽出された.肺NTM症は他の呼吸器疾患と同様に運動耐容能が低下しており,筋力や呼吸機能,息切れと関連していることが明らかとなった. |