漢方薬大建中湯の胃粘膜血流増大作用に 関する薬理学的研究 —温度感受性 Transient receptor potential チャネル の関与および投与時の溶液温度による効力変化—
吉久保匡甫
現場で働く薬剤師にとって漢方薬の服薬指導は西洋薬と比べると困難である。その要因の一つとして作用機序が未だ不明であると考えた。そこで大建中湯の作用機序を薬理学的に解析し、大建中湯はTRPA1、TRPV1を介し胃粘膜血流の増大を引き起こすことが分かった。また、大建中湯による薬理作用の効力が漢方薬特有の温服という投与法によって変化したことから冷えている者に対しては温服すると良いことが考えられた。