近年、海外資本で日本企業を買収したケースがよく見られるが、第三セクターの再生に関わる事例は皆無である。本稿は、経営難に陥った日本地方知名なホテルを、華人企業が劇的再生した稀有な事例を通して、華人企業の構造や経営方式とマーケティング戦略を明らかにしたうえ、第三セクターの再生という公的役割を探りたい。華人企業が日本に対する深い理解・愛情・コミットメントを持つとともに、さらに公共性やコミュニティの再生さえも担い、日本企業や欧米企業が果たすことができない役割を担うことができることを明らかにしていきたい。日本の地域再生の新しい可能性・新しいモデルの可能性を論証する。
古屋 躍子・袁 福之