1987年、社会福祉士及び介護福祉士法(以下、社会福祉士法)が制定されたことにより、社会福祉士養成における実習指導体制は整備された。
本研究では、この実習指導体制を取り上げる。これまで、実習指導体制が稼働する上で様々な困難が生じてきた。特に、これらの困難には、実習担当教員、実習指導者、実習生、3者に関して、それぞれの立場に寄るもの、彼らの役割遂行に基づくもの、相互の関係性に関連するもの、彼らの責任遂行に影響するものなどが含まれている。これらが実習指導体制の稼働に深刻な影響を与えていることから、その困難の影響性についてはコンテクストや質に関して詳細に、具体的に、かつ現実的に精査する必要がある。
本研究では、文献調査により、社会福祉士法定前から現在までの諸論文からこれらの困難がいつ発生し、どのように対応されてきたのかについての論点を抽出し、これらの困難が実習指導体制に与えてきた影響の質について考察することを目的とする。