研究課題番号:26670128
(2014~2015年度:280万円)研究代表者:小浜一弘、研究分担者大室弘美、懸川友人
血管平滑筋の病態生理ではその増殖の制御は重要な課題である。この細胞にはミオシン軽鎖キナーゼ(MLCK)が収縮・運動制御因子として存在するが、増殖における機能は十分には解明されていない。申請者らは、種々の方法でMLCKの発現を阻害したところ、意外にも、増殖の促進を観察する事ができた。即ち、MLCKは増殖には阻害因として作用するらしい。一方、細胞増殖は細胞分裂と細胞核分裂に分ける事ができ、古くから前者はアクトミオシン系、後者は微小管系が働いているとされる。しかし、MLCKの欠損株のデータは、これに一石を投げるもので、前者ではミオシンのリン酸化に、後者ではMLCKを介するアクトミオン系より再度検討・チャレンジする余地を与えている。本研究は、抗癌薬には微小管系を介するものが古くから使用されているが、アクトミオン系を介する抗癌薬開発の可能性にも言及する。