講演・口頭発表等[R]

基本情報

氏名 懸川 友人
氏名(カナ) カケガワ トモヒト
氏名(英語) Kakegawa Tomohito
所属 薬学部 医療薬学科
職名 教授
researchmap研究者コード
researchmap機関

タイトル

HaCat細胞を用いた実験創傷治癒系におけるshikonin応答遺伝子の網羅的解析 Differential gene expression in response to shikonin in artificial wound healing

講演者

 

会議名

日本薬学会第132年会(札幌)

発表年月日

2012/03/29

開催年月日(From)

 

開催年月日(To)

 

招待の有無

 

記述言語

 

国名

 

会議区分

 

国際共著

 

会議種別

 

主催者

 

開催地

 

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概要

【目的】皮膚の創傷治癒過程では、ケラチノサイトの遊走、増殖及び分化がおきる。創傷治癒の機序を明らかにすることを目的とし、今回は、HaCatケラチノサイトを用いた実験創傷治癒系において、紫根成分shikoninにより発現調節を受ける遺伝子を解析した。
【方法】①創傷治癒作用の観察:6 well plateでコンフルエントまで培養したHaCat細胞を用い、薬物存在下・非存在下で細胞剥離面(創傷)を作成し、shikonin(40nM)を創傷後5分~25分の間添加し、15時間(創傷後16時間)培養した(対照はDMSO)。創傷面積の測定により、創傷治癒効果を観察した。②messenger RNA(mRNA)発現量の網羅的解析、リアルタイムPCR法による定量及びmRNAの転写後の発現調節に関わるmicro RNA(miR)の解析:上記と同様の培養及びシコニンの曝露条件であるが、創傷はプラスチック製の櫛を用いて作成した。創傷後3時間及び16時間に細胞より全RNAを抽出し、解析に用いた。
【結果・考察】Shikoninは創傷治癒を促進した。創傷後3時間にshikoninにより発現が2倍以上増加及び半分以下の低下が観察されたのは、それぞれ409及び 1,261遺伝子であった。この1,261遺伝子のうち約1/4の遺伝子の発現は16時間後に2倍以上に増加した。創傷後3及び16時間ともに発現が2倍以上増加及び半分以下の低下が観察されたのは、それぞれ5及び 40遺伝子であった。このうち創傷治癒に関係する5遺伝子の発現変動へのshikoninの関与を、リアルタイムPCR法で確認した。mRNAの転写後の発現調節に関わるmiRについては、shikoninにより創傷後3時間に1種が有意に増加し12種が減少したが、創傷後16時間には有意な変動は認められなかった。
以上より、shikoninの実験創傷治癒の促進作用には、創傷治癒に関わる遺伝子のmRNA発現のshikoninによる制御が関与することが示唆された。

29P1-am145

主要業績フラグ