【目的】
一般用医薬品(OTC医薬品)は適正に使用することにより、セルフメディケーションの推進、医療費削減に繋がる。しかし、不適切な選択や間違った使用をしてしまうと、症状の悪化等、更なる健康被害すらも起こしかねない。添付文書には、使用上の注意、効能・効果、用法・用量、副作用などの大切な情報が記載されており、添付文書を理解した上で使用することが最善のセルフメディケーションになると考えられる。そこで今回一般の方を対象に、OTC医薬品の[添付文書]に関するアンケート調査を行った。
【方法】
平成24年9月25日から10月15日までの期間、一般向けアンケート調査を行った。アンケート内容は性別、年齢、OTC医薬品の使用経験の有無、OTC医薬品の添付文書存在の認知、添付文書利用の有無、OTC医薬品の適正使用の有無、OTC医薬品による健康被害・悪化経験の有無などで、選択方式、自由記述方式により回答を得た。
【結果】
回答者総数102名(男性26名、女性73名)、平均年齢63.1歳(男性68.5歳、女性61.2歳)であった。87.3%がOTC医薬品の使用経験があると回答し、添付文書のことを知っていると回答した方が89.2%であった。また、添付文書を知っていたと回答したうちの75.5%が読んでからOTC医薬品を使用しているとの回答であった。添付文書を読んでからOTC医薬品を使用している方のうち、添付文書があってよかったとの回答が94.7%、あってもなくても変わらないとの回答が5.3%、必要ないは0%であった。OTC医薬品を使用して具合が悪くなったり、不具合生じたとの回答も認められた。
【考察】
今回の調査で、ほとんどの方がOTC医薬品の添付文書をしていたが、使用経験はあるが添付文書を知らないという方もいることが判明した。購入時に薬剤師が一言添える工夫や外箱にもっと分かり易く添付文書について記載する必要があると考える。また、添付文書を使用しないでOTC医薬品を使用している方もいたが、その多くは薬剤師による説明を受けている方ばかりで、薬剤師による適切な説明もセルフメディケーションの推進につながるということが判明した。またOTC医薬品で副作用を経験したとの回答や、中には「薬剤師がいるのに説明してくれない」という意見もあり、使用する側の医薬品に関する関心度・理解度の問題だけでなく、薬剤師自身がより積極的にOTC医薬品や医薬品についての情報を提供することがセルフメディケーションには不可欠であると考える。
(共同研究につき本人担当部分の抽出不可能)