呼吸鎖の欠損は大腸菌の生育に大きく影響すると考えられてきた。一方、大腸菌はプロトン駆動力なしでも生育できることを示した。そこで、大腸菌は呼吸鎖なしで生育できるか否かを明らかにする目的で、ヘム合成の変異株を用いて、その生育を調べた。結果、静止期での生存を保つためには呼吸鎖が必要であるが、炭酸が供給されれば呼吸鎖なしでも大腸菌は生育できることがわかった。また、大腸菌の生育には炭酸が必要であり、好気的に生育している時は呼吸鎖に連動してTCA cycleが働き炭酸を供給していると考えられる。
(共同研究につき本人担当部分の抽出不可能)