細菌類が環境の変化に対応するためには、カチオンの輸送機構が重要であると考えられる。細菌に存在するCa2+輸送系は、E. coliなどに存在するH+/Ca2+-antiporterと、E. hiraeなどにあるCa2+-ATPaseが報告されているが、生理機能は不明であった。そこで、アルカリ環境下での細菌のCa2+輸送系の生理機能の解明を目的にCa2+の生育に対する影響を調べた。E. coli、E. hirae共に、pH9.0で培養した菌の方がCa2+輸送系の存在量が多く、しかし、その輸送活性自体の至適pHはpH9.0ではなくpH8.0に近いことが示唆された。
(共同研究につき本人担当部分の抽出不可能)