エリスロマイシンA(EM)のエリスロノライド環の6位のOをメチル化し、酸に対する安定性を増した新しいマクロライド系抗生物質TE-031による蛋白質合成阻害の機作をEMと比較検討した。無細胞蛋白質合成に対する阻害作用はTE-031とEMでほぼ等しかった。TE-031はEMと同様に、大腸菌リボソームおよびナチュラルmRNAを用いた蛋白質合成の開始から2番目と3番目のアミノ酸のポリペプチド鎖への取り込みを強く阻害した。ラットの初代培養肝細胞における[3H]チミジンのDNA分画への取り込みおよび蛋白質の増加を、TE-031はEMより強く阻害した。その際、TE-031のミトコンドリアヘの移行量はEMより大きかった。
vol.363S. pp123~128 (共同研究につき本人担当部分の抽出不可能)