NhaAはアルカリpHで発現すると報告されている。その結果と相反して、nhaA-lacZ融合遺伝子の発現は、pH5からpH9までの広い範囲での培養条件で、MC4100由来大腸菌株において非常に低かった。nhaBを欠損させたとき、融合遺伝子はpH8以下で発現した。一方、chaAを欠損させたときは、発現が広いアルカリpH範囲で観察された。内部ナトリウムイオンレベルは、nhaAが欠損し、さらにnhaBおよびchaAの欠損している株で低pHと高pHのときそれぞれ増加が見られた。これらの結果は、内部ナトリウムイオンの低いレベルがNhaBとChaAによって維持されない場合に限り、nhaAが誘導されることを示唆した。従来の研究で使用された株はChaA活性が低かったと考えられた。
vol. 1506 pp212~217(共同研究につき本人担当部分の抽出不可能)