CHO-K1細胞は細胞内pHiの維持がpH6.3の培地中でも可能で増殖するが、新たにレプリカ法で分離した変異株AS-5Bは培地pH7.3では増殖可能であるが、pH6.3になるとpHiを保つことが出来なかった。AS-5Bの酸感受性はsodium proton exchangers, HCO(3) (-) (co)transporters或いは H(+)-ATPasesの何れにも関連が無かった。IkappaB-betaのカルボキシ末端ペプチドを含むcDNAはAS-5Bの酸抵抗性を部分的に高めた。このペプチドはCHO-K1に発現していることが確認されたが、AS-5B中には殆ど認められなかった。以上の結果は、この小さなペプチドが酸ストレス環境下でのCHO細胞の増殖に必要であることを示している。
vol.203 pp186~192(共同研究につき本人担当部分の抽出不可能)