2015年4月より施行された改訂薬学教育モデル・コアカリキュラムに基づき、城西国際大学薬学部では「臨床マインド教育」を新たに導入した教育課程を編成した(新課程)。1年次教育において、従前のモデル・コアカリキュラムに基づく課程(旧課程)に対する新課程の教育効果を測定することを本研究の目的とした。対象は、旧課程(2012~2014年入学)247名、新課程(2015~2018年入学)441名とし、毎年ガイダンスで実施する自記式の「薬学部自己点検評価のためのアンケート調査」を用い、ヒューマニズム教育に関する意識や態度、「薬剤師として求められる基本的な資質」に含まれる10項目が示す態度やスキルの修得の程度、また学生生活への満足度について検討した。その結果、新課程では旧課程に比して、倫理観やコミュニケーション能力、地域の保健・医療における実践的能力に対する意識や態度が望ましい方向に向上した。また、医療関連課外活動に参加する学生の割合も増加し、学習成果基盤型教育に基づく教育課程として「臨床マインド教育」を導入した新課程の1年次教育は、十分な成果をもたらした。
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