琴を弾く女の〈物語〉 ―言葉、音、イメージ―
中古・中世の物語や和歌にみられる「琴を弾く女」のイメージ形成を追った。一つの型は、琴が垣間見のきっかけとして機能している〈物語〉である。その淵源は『古今集』時代の歌物語にあると考えられる。その像は、図像として描かれ、イメージとして繰り返し登場するようになった。その型が、琴という楽器の音のイメージ、その言語として意味化、女が演奏する姿等、複数の要素によって形成さて、・定着していく様を明らかにした。
『城西国際大学日本研究センター紀要』8号