『今物語』の『源氏物語』『枕草子』享受-第三話を中心に-
『今物語』における『源氏物語』への姿勢を検討しなおすと同時に、『枕草子』の世界に通じる性質を掘り起こした。『源氏』享受の代表例の一つ第三話について花宴巻との距離を確認。むしろ重要視すべき源泉として二条皇太后宮大弐と源俊頼の贈答歌を指摘した。また、雪や畳をめぐる機知に富んだやりとりを語る先行文学として『枕草子』をあげ、『今物語』との性質の近似性を論じた。
お茶の水女子大学人間文化論叢