城西国際大学公開講座(大網白里)「世界から見た日本、日本から見た世界」 演題「日本古典文学、海外への発信 ―その歴史など」
日本の古典文学は、多くの外国語に翻訳され、海外でも享受されてきた。中でも『源氏物語』は、アーサー・ウェイリー訳やサイデンステッカー訳によって海外に知られた。特に前者は、与謝野晶子や谷崎潤一郎による口語訳にも刺激を与えた。一方、中世文学の翻訳も早くから行われており、例えば、『方丈記』を夏目漱石や南方熊楠が英訳していることが知られる。以上のように、日本中古中世文学の代表的作品の英訳の状況を軸としつつ、日本文学の海外への発信の様相を概観した。