上総一宮 歴史と文学「タマヨリビメの系譜と海の信仰」
上総国の一ノ宮玉前神社(一宮)は、タマヨリビメを祀るとされている。タマヨリビメは、夫ヒコホホデミノミコトと別れ、海に帰った姉トヨタマビメの代わりに、その子ウガヤフキアヘズノミコトを養育、その妻となって御子神をなした。海神の娘であるトヨタマビメやタマヨリビメが、女性性や母性の象徴とされていることに注目しつつ、神々の系譜および、併行して存在する皇統の伝説のなかに類例をみて考察した。