城西国際大学公開講座(茂原) 演題「織姫伝承の形成と受容」
七夕の織姫にまつわる話は、織女星にまつわる中国の伝承や、日本古来の「棚機津女(たなばたつめ)」が重なって形成されたものとされる。そのうち、機を織る女性の原像について、民俗学者折口信夫は、水辺で神の衣を織りながらその訪れを待つ巫女の姿とした。これら織女の姿は、七夕伝承に限らず、湖沼河川にまつわる伝承や、「瓜子姫」「鶴女房」など名称で知られた昔話に見られ、水神信仰・マレビト信仰の性質を強く残している。それらを中心に七夕伝承と織女像の関係について概観した。