本研究の目的は、「50代独身女性の生活実態調査―日本、中国、アセアン諸国との国際比較から」検討することである。今回中国における研究調査は、50代独身女性2名のLife History のインタビューと7名のアンケート調査を行った。現段階では、量的方法の定量調査だけでは把握できないインタビュー対象者の深層心理を掘り下げ、女性の子どもを産むことについての生き方の変化における諸課題を考える。
アンケート調査項目についての考察は研究が得られている重要なポイントである。このように各ポイントを具体的に分析していくと、子どもを産むことに対する個人の考え方や価値観の変化は文化の根っこの部分の変化をもたらすことが分かる。
ボーヴォワールが「第二の性」の中で「女は生まれるのではない。女になるのだ」と指摘しているように、文化の変化に伴う老後、介護の変化、パートナーとの暮らし、将来的に一人暮らしが続きなりうるのかなどの課題自身が大きな変化である。今後の課題は結婚して子どもを持つ人、結婚して子どもは産まない人、シングルマザー、シングルファーザーを参照項として考察することである。