麻酔下ラットにおけるワサビ辛味成分アリルイソチオシアネートの胃粘膜傷害性:粘膜血流と血管透過性亢進の関与
田嶋公人、松本健次郎、堀江俊治
ワサビ辛味成分アリルイソチオシアネート (AITC) の胃粘膜傷害性について検討し、以下の結果を得た。(1)AITCは著明な粘膜血流増大を誘起した。血管透過性はAITC 3.3 mM以上、酸の浸潤量はAITC 30 mM以上より増大したが、胃損傷には至らなかった。(2)TRPV1神経退行変性動物において、AITCにより酸の浸潤量亢進が認められたが、持続的な血流増大が生じず、終了時には重篤な胃損傷が観察された。
ULCER RESEARCH
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