当研究室では、キラル誘導化試薬(CDA)、1-fluoroindan-1-carboxylic acid
(FICA) を開発した。FICA は1H NMR において、既にCDA として汎用されている
α-methoxy-α-(trifluoromethyl)phenylacetic acid (MTPA)と同様、あるいはそれ以上の性能を示した。さらに、MTPA では利用できない19F NMR をも絶対配置決定に利用可能であるという利点がある。FICA のさらなる異性体識別能の向上を目指し、芳香環上に置換基を有するFICA 誘導体を合成して、これらの性能を比較した。