横断的比較では、「培う力」およびその実施状況に関する因子得点において、「薬剤師として地域住民の健康や生活を支援する力」が3年次で有意な高値を示した。また縦断的比較においても同様の結果が観察され、地域連携論演習の影響が大きいものと考えられる。一方で、薬剤師がこの力を有することの重要性の認知については十分な教育効果が見られず、必ずしも期待する結果に至っていないが、「地域住民の健康を支える力」に関しては一定の成果をもたらしたものと考える。今後、低学年教育がその後の高学年教育に及ぼす影響について慎重に討議し、6年間の「つながり」を意識した教育プログラムの確立を目指していきたい。