臨床マインドに関する調査票は因子分析の結果、十分な妥当性が確認された。臨床マインドスコアは学年間に有意差を確認し、学年進行に伴い上昇する傾向を観察したが、2018年調査時の3年次では多くの項目で他学年に比して低値を示した。一方、臨床マインドスコアの標準化スコアの変化が学力向上に影響を及ぼすことが示唆された。3年次教育で周囲の人々の価値ある変化を支援する力を、5年次教育で一人ひとりの価値観を尊重し、患者・生活者の利益を最優先に考える視点や薬物治療を実践する力を身に着けることが、とりわけ低学力層の学力向上に効果的であることが示唆された。調査を始めてまだ2年目であり、調査年次のバイアスもあるため、今後も継続的に調査を続け学生の成長を支援する教育プログラムの構築に努めていきたい