イアンブリコスに始まると考えられる新プラトン派内に伝わる、プラトン対話篇の各々は、そのすべての文学的要素が帰趨する単一の主題を備えており、その主題を探求することがプラトン対話篇の解釈法であるという考えは、H. Tarrantが示唆したとおり、形式的ばかりでなく、実質的にも、また解釈の前提となる理論、例えば、ポルピュリウス『プトレマイオスの「調和論」に関する註釈』に引用されるロゴス理論においても、通常単に形式的で空疎と考えられている、ディオゲネス・ラエルティオスにプラトン対話篇の4部作形式による編纂者として伝わるトラスュロスの批判的継承と考えられるものである。