古典末期キリスト教詩人Aratorの叙事詩De Actibus Apostolorumの内容とその歴史的背景を、Corpus Scriptorum Ecclesiasticorum Latinorumの第72巻(Vindbonae, 1951)に収められてるMacKinlay, A.P. による校訂本、ローマ教皇Vigilius関係資料、東ゴート王国宮廷文書資料(Cassiodorus; Ennodius等)、東ローマ帝国関連資料(Procopius)を通じて、紹介する。特に、政治的宗教的に確立したキリスト教という制度のもとで、ローマ市のキリスト教聖職者の言述にローマの文人の伝統が生きている事、また聖書のアレゴリカルな解釈を成立させている解釈上の論理が何であったかを明らかにする。