21世紀の今日、地球環境問題とは、人間の生存の危機の問題として、西欧に発する近代的社会制度そのものが生み出している相互につながりあっている問題群のひとつです。また、地球上に生きるすべての人間が例外なく、それぞれのひとがおかれた社会的責任において、自らのいのちを根本的に損ねている問題でもあります。こうした問題を社会的に解決するには、国民国家を越えて、世界市民として、すべての当事者が、まずは生活の現場で、隣人と対話を形成していくことが求められています。そのような対話が社会に進んでいくには、互いに相手の立場に立って分かち合う精神性がなければなりません。そしてそのような精神は、生きとし生けるものに対する共感性をとりもどさなければ育たないものではないでしょうか。