SNSアイコンとしてのTheodore “Teddy” Roosevelt の肖像描画制作の依頼を受け, その制作過程においていくつかの問題が発生したため, 本論文において問題解決を行なった. 1つ目の問題として人物描画の場合, 骨格的形態の理解が描画を容易にするのではないかと仮定し, 参考とした写真と肖像画の両方に, 骨格上主要であると想定した部位の位置指標としてのマーカーを設定し, 解剖学的整合性を図った. その結果, 肖像描画において人物の外貌を似せるためには骨格の主要部位における位置の整合性が優先されることが確認できた. またこのマーカーはデッサンの初期段階において目安として描く「アタリ」に相当するのではないかと考え, 人物を見る角度によりその位置が変化するため, マーカーの位置は固定できないと判断した. 1つ目の問題として, 肖像描画外貌を似せるだけでなく, 肖像画においては人物の人格が現れやすい目元の表現が重要と考え, 参考写真に見られる「憂い」という負の感情と, 「笑み」という正の感情の中間的表現を目指した. 以上2つの問題項目に関して整合検証を行なった.
キーワード:肖像描画, 骨格的整合性, 顔面表情, 解剖学,
セオドア・ルーズベルト