30巻2号 Page194-196
手術室一足性導入について、背景にある意識や倫理、行動を検討した。研究対象者は9名(看護師:7名、医師:2名)で、研究対象者の所属施設のうち、6施設が一足性を導入していたが、3施設は一足性を導入していなかった。一足性の導入には、業務の効率化、コスト削減や患者の安全性の確保など、多くの利点が存在するが、靴を脱ぐという一般的な習慣や清潔/不潔の混在を忌避する文化に根ざした感覚が手術室にも通底していた。一足性の導入には、CDCのガイドラインよりも、従来の履物交換によって保ってきた清潔/不潔の秩序をどう管理するかが重要だと思われた。