医療過疎地域(A医療圏)に住む子どもをもつ壮年期乳がん患者の療養に伴う経験を明らかにし、必要な支援について検討することをも目的とした。研究方法は、質的記述的研究とし、A医療圏近隣に住む診断当時11~14歳の子どもをもつ術後7年の40歳代の乳がん患者B氏に半構成的面接による面接内容から逐語録を作成した。逐語録を詳細に読み、データの全体像を把握した。研究テーマに関連した内容を抽出してコード化し、意味あるまとまりで分け、カテゴリー化した。B氏が看護師に求める支援は、<「一人」の患者に向かう姿勢>を基盤とする<待ち時間に声をかけてくれる>、<医師と患者、患者どうしをつなげる役>等であり、時間ともに[自身のとらえ方] が[周囲との関わり]により変化したと考えられ、医療過疎地域における患者支援のネットワーク構築の必要性が示唆された。