研究成果のがん看護実践活用に関する実態と関連要因を明らかにし、がん看護の質の向上を目指した研究成果活用に関する教育プログラムと支援システムを検討することを目的とし、全国がん診療連携拠点病院375施設のがん看護に携わる看護師1500名に質問紙を郵送し、回答が得られた回答が得られた400名(回収率26.7%)のうち自由記述があった228名を対象とした。質問項目は研究成果の「活用内容」「活用促進要因」「活用阻害要因」「活用における必要な教育」「活用における必要な支援」の5項目で、得られたデータは項目ごとに類似する内容に分類した。研究成果の「活用内容」は〈困難な事例の直接ケア方法〉〈スタッフ教育の資料〉、「活用促進要因」は〈研究成果の活用しやすさ〉〈組織の協力〉、「活用阻害要因」は〈実践者の負担の増加〉〈看護研究への理解不足〉、「活用における必要な教育」は〈研究に関する教育〉〈がん看護に関する教育〉、「活用における必要な支援」は〈研究活動の時間の確保〉〈臨床の教育体制の見直し〉という内容が多かった。研究成果は患者のケアやスタッフ教育などに活用されていることが分かった。しかし看護研究への知識不足から研究成果の活用に至らない者も多く、看護研究に対する知識と理解を深めるため、組織における研究支援体制の整備と教育体制の見直しの必要性が示唆された。
共同研究につき抽出不可能