(目的)高齢者の嚥下機能維持・向上を目指して、受動的および能動的な「発話」介入が嚥下機能、生理機能、心理的側面に与える効果を明らかにした。
(方法)地域高齢者9名(男性3名、女性6名、平均年齢70.7±3.4歳)にクロスオーバー試験を実施した。受動的「発話」(『朗読』)、能動的「発話」(『昔語り20分』と『昔語り30分』)の介入前後と安静後に、嚥下機能は反復唾液嚥下テスト3回目積算時間、オーラルディアドコキネシス(OD)など、生理機能は血圧、深部体温、簡易アミラーゼ、心理的側面は満足感、不安感などを評価した。
(結果)『朗読』は嚥下時間を短縮させ(p<0.01)、OD「/カ/」を減少させた(p<0.05)。収縮期血圧は介入後上昇し(p<0.01)。『昔語り20分』はOD「/タ/」を増加させ(p<0.01)、血圧を上昇させ(p<0.05)、『昔語り30分』は嚥下時間を短縮させた(p<0.01)。『朗読』は『昔語り』より満足度が低く(p<0.05)、『昔語り20分』より不安が強かった(p<0.05)。
(結論)高齢者に対する『朗読』および『昔語り30分』介入は嚥下機能維持・向上ケアモデルとして有用であることが示唆された。
実験担当をし、データの収集を行う。論文内容確認。